イギリス留学 ワーキングホリデー体験談(アーカイブ)
汗と涙のワーホリ物語NO.51
「冬が来る前に、もう一度あの人と…」
=================================================================
11月の空は、白い雲に覆われ北極圏から来る厳しい寒気が冷たい風とともに僕らに冬
の始まりを告げる。雨が時折降り出し、そして止まり、また降り出す。この国のお日
様は翌年の春が来るまで長いホリデーに入ってしまうのである。
この寒い中にも関わらず、街中に子供たちがあふれかえっている。特にこの日に限っ
ては、いつもよりも多く子供から大人までロンドンの中心街レスタースクウェアーに
集まっていた。ここは、日中から夜にかけて365日、大きな夢を志す者たちであふ
れかえっている場所である。ある者は、通り掛かりの人に絵を描いてほしくないかと
尋ね、またある者は、ジャグリングやナイフを使った大道芸をパフォームしている。
みな、そうやって一日一日の生活費や、もしくは学費を稼いでいるのであった。
しかし、今日に限っては...。彼らの姿を見ることはできなかった。なぜであろう
か?大きな広場や大通りには、警官らがパトカーを道の脇に止めて交通整備をしてい
る。そして大通りにロープを張り、歩行者すら車のごとく警察官に自由に動くことを
許されない。数人の英人が大声を上げ、何かのチケットをゲットしたことに心から歓
喜をしている。いったい、なにが起ころうとしているのであろう?
少なくとも、この僕も始めはここに来るつもりなど全くなかったのだ。ただ、同じN
社で働く友達に一緒に日本食の食材を買いに行こうと誘われただけであったのだ。そ
の買い物の前にと連れられたのが、この場所であった。あまり、頻繁にここに来るこ
とはなかったのだが、それでもいつもと様子が違ういうのは自然と気付くことができ
た。この異様な雰囲気は、今までに経験したことがない。日本のプロ野球チームが優
勝パレードをするのにもここまでの人は集まらないであろう。しかも、いい年をした
大人が今か今かと童心に戻ったかのように何かを待っている。ニューイヤーにもクリ
スマスにも早すぎる。この大人から子供までの一大イベントの正体とはなんであろう
か?
この通りの並びにはたくさんのレストランがある。その一つに、アイスクリーム屋が
あるのだが、路上より一つ二つ高くなっているこの店につながる入り口の階段に数人
の男性が立っていた。彼らも何かを待ちわびているこの周辺の人込みと同類であろ
う。ただ彼らは、この同類とは必ずしも一致しないことがあった。それはずる賢いと
ころであった。この群集の後ろからでは何もみえないであろうと予測して、高台から
ならば...という魂胆なのである。ところが彼らの野望も、一人の忠誠心の強いア
イスクリーム屋の店員によって阻まれてしまう。
「お店の邪魔なので、退いてもらえますか?」
“ずる”は、最期には罰せられのである。そのお店もその周辺のお店もこれだけの人
がいるのに空席だらけであった。しかし、2階になるとすごい込み具合なのである。
みな誰もが、下手に外で人込みに紛れて待つよりも、お店の暖かい中で暖かいご飯を
食べながら椅子に座って待っていた方が良いと考えたのである。ここに“ずる賢い”
人と“賢い”人の違いがあるのである。
ここには大きな映画館が一つある。イギリスのプレミア試写会は、ここのシネマが利
用されている。そしてこの日は、イギリスで今一番の子供から大人までのアイドルが
やってくる日であったのだ。そして、ついにその団体が僕らの前に現れたのであっ
た。
イギリス留学 ロンドン語学学校
■ Twin Towers English College
53-55Ballards Lane, Finchley, London N3 1XP
Tel 020-8343-3567 メール問合せフォーム
英語版のWEBSITE
2013年以降YMSのページをアップデートすることを断念しましたが、もちろん今でもYMSで来られたみなさんのための最初の英語研修の場所、そして、友人をつくるための場所として